臨床実習サブノート 臨床実習における私の工夫・2
実習指導者と実習生のコミュニケーション―私ならこうする
荒木 茂
1
Shigeru Araki
1
1石川県リハビリテーションセンター
pp.464-468
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106645
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はじめに
私が理学療法養成校で学んでいたのは1977年ごろのことで,今の臨床実習とはまったく異なる内容であった.理学療法士が非常に少ない時代で,大多数の病院では先輩理学療法士の助手のように理学療法,物理療法を手伝っていたようなものであった.卒業してからは即戦力として期待されており,まさに体で覚える実習であった.「習うより慣れろ」である.レポートは症例を1例書くらいであったし,勤務時間外のフィードバックというものはほとんどなかった.夜遅く病院に残る人もあまりいなかったように思う.理学療法士養成校が非常に少ない時代で,卒業生に就職してほしいということもあり実習生が歓迎された.実習期間も1か所8週間と長かったので,学生でありながら半分職員のような変なプライドを持っていた時代だった.
私自身,学生のころはコミュニケーションが上手ではなかったし,どちらかと言えば態度の悪い学生だったので,このようなテーマで原稿を書くのは恐れ多いが,今までの経験と反省のなかから実習生に少しでも役立つように,また実習指導者がもう一度学生の立場になって実習を見直す機会になればと思い,できの悪い先輩からの助言として書かせていただきたい.
コミュニケーションがうまくいかないというのは一方だけの問題ではない.したがって,この稿では実習指導者と実習生双方が努力し工夫すべき点について思いつくことを述べてみたい.
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