理学療法の現場から
臨床現場から教育の現場へ
矢野 秀典
1
1仙台医療技術専門学校理学療法学科
pp.862-863
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106157
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臨床から教育の現場への転向
14年間(!) 横浜市内の地域密着型救急総合病院リハビリテーション科で私が勤務した年数です.何気なく(?)勤めていましたが,このように活字にしてみると,かなり長い年月のように思えます.この4月に現在所属するPT養成校に移動して約半年.14年に比べると半年などかなり短いはずなのですが,今,病院での臨床を振り返ってみるとずいぶんと懐かしい気がするのが不思議です.忙しい職場ではありましたが,リハビリテーション科のスタッフ,薬局のスタッフや看護師たち,それと脳神経外科の平元 周先生をはじめ医局の諸先生方に恵まれ楽しく仕事ができたと思います.そして,何といっても患者さんに恵まれました.
臨床の中で自分が一番大切にしてきたことは,「患者さんに良くなってもらいたい,そのためには自分は何をするべきか,何ができるかを考える」ことです.このことは,PTの新人さんや臨床実習の学生さんにもできる限り伝えるようにと心がけてきました.ところが,実際には,患者さんにとって良い結果が出ず,悩んだことも多くありました.しかし,患者さんが良くなったり,患者さんや家族から感謝の言葉をかけられたときには喜びであり,臨床に対する勇気も出てきました.おそらく,臨床に携わっているPTの諸先生方は皆同じ気持なのでしょう.これがPTの醍醐味であると確信しているし,他のコ・メディカルの職種にはないPTの面白さなのでしょう.
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