Senior Course My Planning
細胞診における現場教育
国実 久秋
1
1杏林大病院病理部
pp.1028-1029
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909113
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癌の克服は,現在のところ早期発見早期治療が鉄則とされているが,その早期発見の一役を担うのがサイトスクリーナー(細胞診検査士)である.7号の細菌検査と同様に最も自動化されていない部門だけにマンツーマンの教育が必須となってくる.
最近,スクリーナーを希望する検査技師が多くなっている,しかしその一部の検査技師のなかには,その理由として他の臨床検査部門では自動化が進歩しているので,機械に使われたり,機械の管理のみで臨床検査学的知識が活用できない,それに反し,細胞診は検査成績を出すのみではなく,診断業務の一部門を担えるという魅力がある,というようなカッコよさを強調している者が多い.確かに細胞診部門では,自動化の開発が試みられているが,他の臨床検査部門のようには日常化しておらず,細胞診は特に人の目と頭脳をもって行われる検査法である.決してスクリーナーが独断で診断するものではなく,検査成績を最終的に診断し,それに責任を持つものは医師である.要は正確な成績を出すことであり,他の臨床検査部門となんら違いはない.このような検査技師としての基本的な立場を明確にしたうえで,杏林大学・病院病理部において筆者が行っているスクリーナー志望者に対する現場教育の方針を具体的に述べてみたい.
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