特集 明日の看護を見つめて
新春随想
教育現場からもの申す
川野 雅資
1
1東京女子医科大学看護短期大学
pp.45
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900018
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私は,看護教育に携わり始めて今年で14年目に入ります.看護教育に携わる者は,教育はもちろんのこと,実践者としても研究者としても研鑚し続けなくてはならない,と教えられてきました.ですから,この13年間,看護教育の内容は看護実践の場とかけ離れてはいけない,と考えてきました.この間に看護実践の内容は,先進医療の発展に伴い,より専門的な知識や技術が要求されるようになりました.
アメリカ合衆国の看護教育では,「健康評価:ヘルス・アセスメント」の教科目が独立していますがそれは解剖学,生理学,病理学をミックスしたような内容になっているものです.このような看護の専門性が問われる一方では,ターミナルケアや訪問看護,生命倫理の問題に対処したり,慢性疾患患者のコンプライアンスを高めるなど,看護の領域が広がってきました.つまり,深さと広さが要求されるようになったわけです.
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