特集 脊髄損傷―新しい下肢装具の活用
内側股継手付き長下肢装具を用いた脊髄損傷者の立位・歩行練習―Walkabout(R),Primewalk(R)を使用して
江口 雅之
1
,
原田 康隆
1
Eguchi Masayuki
1
1労働福祉事業団中部労災病院リハビリテーション科
pp.467-474
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105835
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はじめに
近年,脊髄損傷者に対して車いす生活を前提とするリハビリテーションプログラムを優先的に開始し,限られた入院期間内で自立可能な能力を獲得させることを目的として立位・歩行練習が行われない傾向がみられる.また,実用性の低い立位・歩行練習に消極的なリハスタッフも少なくなく1),立位・歩行練習の意義についても未だ決着のつかない議論が続けられている2-4).しかし,立位・歩行練習を安易にプログラムから削除することは患者自身の選択する権利の侵害につながりかねない.そこで当院では,希望者に対して,比較的短期間で立位・歩行を経験できる内側股継手付き長下肢装具を処方し,プログラムに採り入れている.
本稿では,内側股継手付き長下肢装具の構造と特徴を紹介し,当院における立位・歩行能力の獲得状況およびアンケート調査による退院後の使用状況を報告し,更に我々の臨床経験をもとにした本装具の適応や実際の練習内容について報告したい.
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