講座 発達障害・3
骨・関節機能の発達障害―特に股関節を中心にして
遠藤 直人
1
,
速水 正
1
Endo Naoto
1
1新潟大学医学部整形外科
pp.820-824
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105430
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はじめに
骨,関節は筋肉,靱帯とともに運動機能を司っている1).
骨は体を支持し,内臓を保護し,加えてカルシウムホメオスターシスを維持する役割を果たしている.関節は“相対する2つ以上の骨を連結”し,可動関節(synovial joint,可動性がある)と不動関節(synarthrosis,可動性がない)に分けられる.可動関節は滑膜関節ともいわれ,骨,関節軟骨,関節包,滑膜,靭帯などから構成され,運動機能を果たす上で重要な役割を果たしている.四肢の関節がこれに相当し,本論で主に取り上げる.
これら骨・関節は出生後,成長発達とともに形態的,機能的に大きく変化する.その成長・発達過程において,種々の疾患,外傷が,形態的,機能的な障害をもたらす可能性がある.ここでは骨・関節の形成過程,更に疾患と運動機能に及ぼす障害について記述する.
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