あんてな
参加者にわかりやすい症例検討会の工夫
竹中 弘行
1
1湯河原厚生年金病院リハビリテーション室
pp.67-69
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105232
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Ⅰ,はじめに
他施設,他職種のスタッフを交えた症例検討は,着眼点や治療展開に違いがあり,マンネリとなりがちな臨床での思考過程や治療を見直すうえで参考になる.また,学生数の急増で卒前教育における十分な臨床実習が提供しにくくなっている現状を考慮すると,新人教育という観点からも,臨床治療場面での問題を解決するためにクリニカルリーズニングから治療までの過程を学習できる症例検討会は非常に重要な意味をもつチャンスである.
臨床教育の一環として,症例検討の内容が理解しやすく,その結果を臨床にフィードバックできるようにするためには,検討結果としての治療テクニックを模倣するのではなく,
1)セラピストの評価・治療上の思考過程やリーズニングの過程を,その意味までも含めてわかりやすくすること,
2)患者治療上の中心となる論点や観察の視点がわかりやすいこと,
3)参加者の視覚・聴覚のみならず,触覚,運動覚を含めた学習が行えること,
などが大切であると考える.
ここでは,我々の行っている「神奈川ボバース勉強会」での症例検討の目的と運営の工夫について紹介させていただく.
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