Case Presentations
やり投げ選手の肘関節障害に対するリハビリテーションの一工夫
前田 克史
1
,
村井 美奈
1
,
高橋 小夜利
1
,
吉田 真
1
,
菅原 誠
2
,
松田 嘉博
2
,
佐々木 敏
3
Maeda Katsushi
1
1松田整形外科病院リハビリテーション
2松田整形外科病院整形外科
3北星女子短期大学
pp.430-436
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105090
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Ⅰはじめに
肩関節・肘関節のスポーツ障害は投動作と密接に関連している.その原因としては,投動作を頻繁に繰り返すことにより,上肢の筋バランスの変化,筋短縮等を引き起こし,やがては肩関節・肩甲帯の協調運動が困難となり,肩甲帯の前傾等の変化をもたらし,肩・肘に障害をきたすものと考えられる.
肩・肘に痛みを訴えるスポーツ選手は,日常生活動作では痛みを訴えないが,投動作時のみ痛みを訴えることが多い.このことは,投動作そのものが肩・肘にストレスを与えていることを示しており,このストレスをいかに軽減していくかが治療ならびに再発予防の鍵となってくる.
本報告では,投てき動作における肘痛に対して肩関節および肩甲帯の協調性を重視した治療を試み,さらにやり投げのスキルを改善することにより障害を克服することに成功した症例を提示する.
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