Japanese
English
臨床経験
やり投げ選手に発生した長胸神経麻痺の1保存例
The Long Thoracic Nerve Paralysis in the Javelin Thrower : A Case Report
戸泉 孝行
1
,
近藤 総一
1
,
三橋 成行
1
,
島田 信弘
1
,
岩下 裕之
1
,
坂西 英夫
1
Takayuki Toizumi
1
1相模原協同病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sagamihara Kyodo Hospital
キーワード:
long thoracic nerve
,
長胸神経
,
serratus anterior muscle
,
前鋸筋
,
winged scapula
,
翼状肩甲
Keyword:
long thoracic nerve
,
長胸神経
,
serratus anterior muscle
,
前鋸筋
,
winged scapula
,
翼状肩甲
pp.1341-1344
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902312
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抄録:症例は16歳の男性で主訴はやり投げ時の脱力および右肩甲骨の突出であった.陸上選手で1991(平成3)年夏よりやり投げを始めた.1992(平成4)年2月初めに右頚部痛が出現し,その後,父に右肩甲骨の突出を指摘され2月28日初診した,既往歴には特記すべきことはなかった.現症では右翼状肩甲がみられ,前鋸筋の明らかな緊張を触れなかった.菱形筋その他の筋力は正常で,知覚障害もみられなかった,単純X線像では明らかな異常所見はなく,前鋸筋の筋電図はほぼelectrical silenceであったが,菱形筋その他には明らかな異常所見はみられなかった.以上より,長胸神経麻痺による翼状肩甲と診断し,Johnson型肩甲骨固定装具を装着し保存的に加療した.装着後4カ月より回復がみられ始め,7カ月でほぼ改善した.
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