書評
―近藤厚生(著)―尿失禁とウロダイナミクス―手術と理学療法
西沢 理
1
1信州大学医学部泌尿器科
pp.948
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104948
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近年,尿失禁に対する積極的な取り組みが多くの医療機関において行われている.その具体的内容をみると,理学療法,手術療法,薬物療法,その他に区分できる.その他については,コラーゲンの尿道周囲注入法,電気刺激法,膀胱頸部支持装具などの種々の手法を挙げることができる.尿失禁に対する治療法が上記のように多種多様化しており,治療により治癒可能となる尿失禁の病態も確実に増加しているにもかかわらず,実際に尿失禁患者の治療に携わる医療従事者がその対処に困惑する事例は少なくない.このような状況の中で尿失禁に対する手術療法と理学療法に重点をおいた近藤厚生博士の手による「尿失禁とウロダイナミクスー手術と理学療法」という本書の刊行は意義の深いものと確信する.
「尿失禁とウロダイナミクスー手術と理学療法」という題名,それにビデオウロダイナミクスの記録例とチェーン膀胱造影像とを表紙とする本書を見た瞬間に本の内容を読まずして,近藤厚生博士が渾身の情熱を込めて書きあげた本であることが直感できる.
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