特集 姿勢調節
姿勢評価法
米田 稔彦
1
Yoneda Toshihiko
1
1神戸大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.298-304
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104537
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1.はじめに
姿勢という語を広辞苑(岩波書店)でひくと,からだの構え,とある.また,日本語大辞典(講談社)でみると,からだつき,すがた,からだのかまえ,とあってfigure,postureの英語訳が記されている.運動は,姿勢が時間的に連続して変化したものであり,体と重力方向の関係,体の動きの方向,また体の各部分の相対的位置関係として記録されるものを表す22)といわれている.すなわち,姿勢は運動の要素であるとともに,あらゆる身体運動の出発点となるものであり,運動学的にも運動療法上も極めて重要なものである.パーキンソン病の4徴候の1つにあげられるように姿勢調節障害を呈する疾患は数多く,姿勢および姿勢調節を的確に評価することは,理学療法施行上不可欠である.
今回与えられたテーマは,姿勢評価法であるが形態的・静的な姿勢の評価ではなく,運動との関わりを考慮した姿勢評価について述べる.特に坐位姿勢から立ち上がり動作を経て立位姿勢,および歩行の前段階としての立位での体重心移動の評価について論じたい.形態的・静的な姿勢の評価には,種々の方法があるが,それらについては成書を参照していただきたい.
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