クリニカル・ヒント
呼吸介助手技リラクセーションの一手段として
岸川 典明
1
,
居村 茂幸
2
1中部リハビリテーション専門学校
2兵庫医科大学病院リハビリテーション部
pp.209-210
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104252
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われわれ理学療法士が高度な神経障害を呈する中枢神経障害患者の理学療法を行なう際,異常な筋緊張のコントロールにはかなり難渋する.なかでも意識が不清明であったり意志の疎通のとりにくい重症患者(児)に対する際は,さらにその傾向が強くなる.そのようなとき,筆者らは,筋緊張の緩和を目的にさまざまな理学療法を施行しているが,リラクセーションの一手段として徒手による呼吸介助手技を用いることがある.この呼吸介助手技は,通常,本人の努力があまり期待できない急性の呼吸不全患者に適応することが多いが,一回換気量を増加させ呼吸数を減少させる効果があり,肺理学療法の手技の一つとして臨床場面で利用されている.この手技はさらに,筋緊張の緩和に対しても効果があると言われている1).
呼吸介助手技はセラピストの手掌を直接患者の胸壁に柔らかく接触し,呼気相に合わせて軽く圧迫することによって呼気を促進し呼出ガス量を増大させるものである.
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