プログレス
みずむしの治療と消毒
西本 勝太郎
1
1長崎市立市民病院皮膚科
pp.185
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104242
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「みずむし」とは元来は主として足にできる,「皮が剥げて痒い」という症状を示す皮膚病を大まかに捉えた病名であった.現在でも,特に労働環境における足の衛生を考えるとき非常に便利な病名である.つまり,足が高温多湿の環境に長くおかれると,まず多くは趾間部の浸軟(足の指の間の白いふやけ)を生じてくる.この時期には,まずその部位には細菌だけが見いだされることが多い.細菌の種類は特に一定しておらず,時には腸内細菌に属するものも含まれる.
このような状態の足指に,分類上「かび」(真菌)に属する一群の皮膚糸状菌(一般に白癬菌と言われる.)が増殖し,病像形成の主役となった場合には足白癬という病名で呼ばれる,つまり,湿った環境は「かび」にとって好適なので,たまたま周囲の環境中にいた皮膚糸状菌が付いて増殖すると「足白癬」になるのであり,時には同じ「かび」の仲間であるCandidaが増殖してカンジダ症となることもある.
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