連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・29
虫たちのコンサートを聴きに行きませんか―『むしのおんがくがっこう』『5ひきのすてきなねずみ―おんがくかいのよる』
柳田 邦男
pp.1106-1107
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101100
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秋の夜更けに,外出から帰って家に入ろうとすると,コロコロとコオロギの鳴き声が聞こえる。子どもの頃に歌った唱歌が頭の中に流れる。
♪……あゝおもしろや虫の声。
この国の秋は,いろいろな虫の声で満ちているなあと,あらためて思う。日本人は古来,暮らしの中で,虫の声で季節を感じる豊かな感性を育ててきた。俳句の季語にいろいろな昆虫を取り入れてきたことに,日本人のそういう心模様が表われている。とくに秋の季語に虫が多い。
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