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嚔の「むし」の話
pp.696
発行日 1953年11月20日
Published Date 1953/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200999
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この話は,支那奇談集にある一説で,面白いと思つたので摘録して見た。
支那の徐州に梁彦という人がいた。梁彦はどうも嚔が出て困つていた。或る日,寢ていると,鼻の中が急にむずかゆくなつたと思う間もなく,忽ち大きな嚔が出た。その拍子に鼻から何物かが飛び出して,地に落ちたから怪しく思つてみると,それは屋根の上の狗瓦のような形のした,およそ指の先程な代物であつた。すると,又嚔が出た。又一つ同じ物が落ちた。また出た。又落ちる。
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