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むし齒はどうして出來るか? 大なる謎!!!
James & Peta Fuller
pp.51-52
発行日 1950年7月15日
Published Date 1950/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200686
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過去一世紀間に歯科は職業となりそして科學となつた,むし齒に關する學説は女の流行衣の如く其時其時に變つたのである。或る説が勢のあるときはむし齒を減少させるとか或は之を無くすと思われるような凡百の手段方法か案出され,其手段方法の目録は極めて長いものである。乃ちビタミン類とか,カルシユムとか,燐酸鹽とか,鑛物質の平衡とか,チユーインガムとか,合成したキノン劑とか抗生物劑とか,アンモニアとか,尿素とか口中洗剤とか,齒磨粉とか,齒刷子と刷子材料とかアルカリ灰食事とか,齒牙洗滌性食事とか,靱強なる食事とか,蛋白食とか,或は感情的な生活安全に關係あり等とかであつた。之等緒説の何れもか,宣傳家や眞面目な研究者連によつて時を同うし,或は異なる時期に主唱されたのでありそして公刊の印刷物で一時賑かされたものであつた。以上諸般の勞策は現在の學校には大部分は無効なりとの烙印を押されている。
約十年前は弗素はそれ自身か悪黨の部類であつた,即ち弗素はエナメル様の黒斑を作るのであり人々はそれを警戒し且注意して居つた。それにも拘はらず弗素は最近齒科醫の非常に大なる見込あるものとなつた。或る條件下では弗素は何故有効なのか或はどうしてきくのかわからないが作用するように思はれた。それに關する弗素使用の樂觀説か抑止し得られなくなつた。
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