--------------------
所謂みずむしに対する殺菌灯の治療
菅居 正素
1
1住友化学工業株式会社大阪製造所診療所
pp.1065-1066
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201854
- 有料閲覧
- 文献概要
いわゆる,みずむしとは手足に発生する汗疱並にこれに白癬菌が附着した汗疱状白癬を総称する。しかして汗疱を一種の湿疹とみなすもの,或は単なる汗疱の存在を否定し,汗疱状白癬の一症状とするものがある。ともかく,みずむしと発汗とは関係があり,夏にみずむしは発病,或は悪化をきたし,ことに工場に於ける不良環境は本症を増悪さす一因になる。例えばゴム靴,ゴム手袋の使用などで,加えて近時流行のナイロン靴下はとくに症状の悪化をきたす。
本症の治療法としては従来より,リゾール浴,昇汞浴,沃度チンキ,サルチール酸アルコール,硫黄軟膏,ウンデシレン酸製剤,或はトリコマイシン,オーレオスライシンなどの抗生物質の塗布,太陽燈,レントゲン照射など種々の治療が行われているにも拘らず,効果は一時的,或は場合によつては刺戟症状を起し,全治はきわめて困難である。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.