Japanese
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入門講座 学術研究方法の手順・1
テーマの発見
Steps of Scientific Research: Discovery of Research Themes
大峯 三郎
1
,
緒方 甫
2
Saburou OHMINE
1
,
Hajime OGATA
2
1産業医科大学病院リハビリテーション部
2産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation, University of Occupational and Environmental Helth Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health.
pp.45-51
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104206
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Ⅰ.初めに
日本理学療法士学会の変遷を垣間見ると,1967年,第2回学会での一般演題数は,わずか5演題であった1).その後,1994年の第29回学会では,パネル発表,ビデオ演題も含めて481演題を数え,飛躍的な増大を示した.さらに1995年の学会では540演題を超える募集がなされており,今後ますます増加の一途をたどるものと予想される.
これは,理学療法士の会員数の増大も大きな要因であろうが,個人の臨床に対する(教育,基礎的な領域も含めて)専門職としての自己研鑽とそれを継続していく,日々の努力の賜物でありその表れとみることもできる.
われわれ理学療法士は,医療に従事する専門職としてより質の高い理学療法技術の提供を要求される.そのため個人の責任の下に,あらゆる学習の機会を利用して単に理学療法技術の習得のみでなく,社会学,科学,哲学,心理学などの幅広い知識集積の必要性が望まれている.現在,われわれを取り巻く環境も生涯学習を含めた卒後教育などを通してそのように整備されつつある.そしてこれらの一延長線上に,学会発表や論文作成などがあり,その手段として臨床研究が存在すると考えている.
本講座では,臨床で研究を行なうことの是非はともかくとして,臨床や文献研究から得られた知見を如何に研究テーマへと結び付け発展させていくかなどを中心にして,筆者の経験から私見をまじえながら特に臨床的な観点から研究法について概説する.
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