Japanese
English
研究と報告
片麻痺患者の健側下肢筋力と立位バランス
Unaffected Lower Limb Muscle Strength and Standing Balance in Hemiplegic Patients
大峯 三郎
1
,
江西 一成
1
,
舌間 秀雄
1
,
木村 美子
1
,
新小田 幸一
1
,
大川 裕行
1
,
緒方 甫
1
Saburo OHMINE
1
,
Kazunari ENISHI
1
,
Hajime OGATA
1
1産業医科大学病院
1Department of Rehabilitation, University Hospital of Occupational and Environmental Health.
pp.544-549
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103385
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Ⅰ.はじめに
片麻痺患者の理学療法において,最終的な治療ゴールの目的の大半は,ADL自立のための歩行能力の獲得に重きがおかれている.岸1)はADL全体の独立性に寄与するADL項目として,歩行,起坐,床上,衣服着脱,整容などの5項目をあげており,ADL全体の独立性の改善には歩行動作の改善に関与する面が最も多いとしている.さらに全体の独立性に寄与する諸項目として健側下肢筋力,運動機能,知能障害などをあげでいる.また,片麻痺患者の歩行能力に関して,平方2)は訓練により,健側下肢の十分な筋力と躯幹の平衡保持力が得られれば実用的な歩行能力に達し得るとしている.我々も日常の片麻痺患者の理学療法プログラムの一環としてHirschberg3)の提唱する健側下肢筋力増強訓練を運動療法の1つとして肋木,階段昇降などを利用して行っている.そこで今回,歩行能力に大きく関与すると思われる健側下肢筋力,立位バランス,下肢機能(Brunnstrom stageを指標とする.以下,Br.stageと略す.)との関連性を見い出すことを目的として,種々検討を行ったので報告する.
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