Japanese
English
講座 物理療法・3
超音波療法
Physical Modalities. 3: Ultrasound Therapy
木村 貞治
1
Teiji KIMURA
1
1信州大学医療技術短期大学部理学療法学科
1Department of Physical Therapy, School of Allied Medical Sciences, Shinsyu University.
pp.625-631
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103824
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Ⅰ初めに
理学療法の基本的な治療体系は,運動療法,物理療法,水治療法の三要素から構成される.しかし,現在の我が国の理学療法の治療体系は,運動療法がそのほとんどを占め,物理療法や水治療法の比率はきわめて低い傾向にあるのが実情である.そして,このことは例年の日本理学療法士学会における物理療法,水治療法に関する演題数の少なさからも容易に判断できる.
このような現象の要因としては,①物理療法,水治療法を実施する時間が無い,②物理療法,水治療法を実施する場所・予算が無い,③保険点数上,理学療法士ができるだけ多く「複雑」の治療に当たり,物理療法や水治療法などの「簡単」は,理学療法助手が実施する傾向が強い,④物理療法,水治療法の臨床効果に関する科学的な研究が少ない,⑤疼痛や筋スパズムの客観的な評価が困難である,などの理由が挙げられよう.
しかし,理学療法の対象患者の大多数がかかえる主要な問題点の中に,疼痛や筋スパズムが存在する現状から考えると,運動療法だけを単独に実施するよりも,症状に応じて,適宜,物理療法や水治療法を組み合わせた包括的な理学療法アプローチを実施したほうがより効果的な相乗効果が得られるものと思われる.そして,そのためには,物理療法で用いられる刺激が生体に及ほす生理学的な影響を科学的に分析するとともに,臨床場面における効果判定を系統的に実施し,症状の原因,部位,発症からの経過期間,心理的特性などの条件に応じた特理療法や水治療法の具体的な意志決定フローチャートを整理していくことが重要な課題となる.
本稿では,超音波療法の基礎および臨床応用につい
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