1ページ講座 リハビリテーション機器の紹介・9
環境制御機器
神沢 信行
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
pp.632
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103825
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1.初めに
近年の救急救命医療の進歩により,生命の危機は脱することができても,重度四肢麻痺の後遺症を残す障害者も少なくない.このような障害者では,移動のみならず日常の身の回り動作のほとんどに介助を要するため,本人ばかりでなくその介護に当たる家族の精神的,身体的な負担は,量り知れないものがある.このような双方の負担を少しでも軽減する目的で,残存するわずかな能力を有効に利用して日常の身の回り動作を行なえるようにするために環境制御装置(Environmental Control System;ECS)は開発された.最初に開発されたのは1960年代初めの英国で,日本では清瀬に最初のリハビリテーション学院が開設されたころである.日本で環境制御装置の本格的な研究が始まったのは,1977年の「リハビリテーションUSA」が開催された後である.その後,環境制御装置研究連絡協議会を中心に検討が重ねられ,その実用化・普及を目指し,現在では数種類の環境制御装置が市販されている.
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