Japanese
English
特集 末梢血管障害の非侵襲的検査法
超音波
Ultrasonography of peripheral arterial diseases
宮澤 幸久
1
,
瀬戸山 隆平
2
,
跡見 裕
2
Yukihisa MIYAZAWA
1
,
Ryuhei SETOYAMA
2
,
Yutaka ATOMI
2
1帝京大学医学部第2外科
2東京大学医学部第1外科
pp.1633-1643
発行日 1982年11月20日
Published Date 1982/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208168
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はじめに
超音波診断法(Ultrasonography)は,Bモード表示装置の開発・実用化,さらにgray scale echographyの導入,高速走査方式の開発,装置の改良により,解像力に優れた断層像が得られるようになり,本検査の臨床応用を幅広いものとした.
血管病変の超音波診断についてみると,初期には主として腹部大動脈瘤についての有用性が報告され1-7),その後,大腿・膝窩動脈瘤などの末梢血管病変を検査の対象とし,良好な成績が示された8-14).さらに,頸動脈病変や15),血行再建術に伴う病態における超音波像も報告されるようになつたが14,16,17),これら欧米の報告は,主として手動接触走査法(manual contact scan)による断層像であつた.近年,高速走査方式の一種である電子走査方式(電子スキャン)が開発され,急速に臨床の場に普及し高い評価を受けている18-21).電子スキャンは手動走査型のものに比べると,実時間(real-time)で活動画像が得られること,操作性,再現性に優れていることなどから,血管系の描出にはより有用であり,本稿でもリニア電子スキャンによる末梢血管疾患の診断的意義について述べることにする.
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