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特集 小児の理学療法
脳性麻痺児に対する理学療法技術の進歩と課題
Physical Therapy for Children: A Current View of Physiotherapy for the Child with Cerebral Palsy with Special Reference to Handling Techniques
今川 忠男
1
Tadao IMAGAWA
1
1南大阪療育園
1Therapy Services Department, Minami Osaka Ryoikuen Hospital for Children with Handicap.
pp.373-378
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103759
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1初めに
脳性麻痺児に対する治療技術についての関心や研究は,どのような刺激を加えるか,つまり理学療法士が何をするかということが中心課題となっていて,それをどのように行ない,子どもにどのように適応させていくかという視点が不足していると,最近の「運動科学」研究者は指摘している.
治療技術というものは,理学療法士が最初に加える刺激の種類を指すというよりは,その刺激に対する子どもの反応によって修正,決定していくものである.子どもに何かをしてその反応を引き出すというだけでなく,子どもがこのようにしたので,理学療法士がどう反応したかという相互作用の観点で,治療技術を捉える必要がある.
このようなことから,治療技術を科学的,客観的,普遍的なものにしていくには,理学療法士の運動の巧緻性だけではなく,子どもの反応を敏感に察する感受性が必要となってくる.
今回,治療技術実施に必要な理学療法士の微細な運動の巧緻性と鋭敏な感覚の感受性を向上させるための具体的な提言を幾つか取り上げて解説していく.
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