プログレス
睡眠時の呼吸管理
髙﨑 雄司
1
,
太田 保世
1
1東海大学第2内科
pp.345
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103748
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Ⅰ.初めに
覚醒から睡眠に移行すると,呼吸(分時換気量)は低下傾向を示すものの,健常人の動脈血酸素飽和度は,ほとんど変化を示さない.一方,肺や胸郭障害に基づくガス交換障害を有する患者では,覚醒時から低酸素血症を認めるので,睡眠時の動脈血酸素飽和度は,ヘモグロビン酸素解離曲線の特性から,著しく低下することになる(図1).この現象は肺気量が低下するほど著明なため,肺気腫症に比べ,胸郭の変形(脊柱彎曲症など)や呼吸筋障害に起因した拘束性換気障害(筋ジストロフィーなど)患者で著しい.
近年,重症な拘束性換気障害患者に夜間の換気補助を試みた報告が多数発表され,良好な成績を示している.本項では,睡眠時の呼吸管理に関し,概説する.
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