特集 脳血管障害
高齢脳卒中患者の社会参加への私のくふう
地域に善き支え手を
山本 和儀
1
,
野村 典子
1
,
伊藤 晴人
1
,
吉岡 善隆
1
,
岩城 晴美
1
,
大道 弘子
1
1大東市福祉事務所理学療法課
pp.25-26
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102923
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1.初めに
われわれの目指している地域リハビリテーションは,地域で生活している障害者や老人が障害をもちながらもごく普通に人間らしく,健やかに,楽しく,安心して生活できるようにしていくことだと考えている.そのためには,直接かかわりをもつわれわれだけでなく,住民全体の取り組みとなる必要があると考えている.そのためのわれわれの役割としては,高齢脳卒中患者が退院後地域で生活するために,本人および家族に対しては,身体・精神機能の維持や日常生活動作の訓練指導を行なっている.そして障害者や高齢者の周囲の人々に対しては,地域社会で支えていくための援護態勢の充実を図っている.つまり,障害者の理解を深めるための市民への啓発活動や具体的には介護の方法などの指導も行なっている.
われわれは地域リハビリテーションの目標をADLの維持とともにQOLの向上に置き,できるだけ生活の場を広げる努力をしている.また障害者の社会参加にはノーマライゼーションの思想がたいせつと考え,関係機関への働きかけや,市民啓発を積極的に行なっている.
以下,具体的実践について紹介する.
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