Japanese
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特集 筋力増強
筋組織からみた筋力
Muscle Strengthening: Muscle Strength: A Histologic Point of View
猪飼 哲夫
1
,
米本 恭三
1
Tetsuo IKAI
1
,
Kyozo YONEMOTO
1
1東京慈恵会医科大学
1Department of Rehabilitation Medicine, Jikei University School of Medicine.
pp.742-748
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102885
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Ⅰ.初めに
筋力とは筋収縮によって発生する張力であり,その強さは収縮に参加する筋線維の数によって決定される.この筋力の減弱した状態である筋力低下は,リハビリテーションにおける重要な機能障害(impairment)の一つであり,これを改善する筋力増強は,理学療法の中で大きなウェイトを占めている.
筋が量的に減少した状態を萎縮と呼んでおり,一般に萎縮筋に筋力低下は認められる.しかし,筋萎縮と筋力は並行して進むとは限らず,筋原性疾患のように萎縮の程度が軽くても,変性がある場合には筋力低下が著しいことが多い.
筋力低下をきたす原因には,神経原性(中枢性,末梢神経性),筋原性,廃用性,加齢などがある(表1).これらの病態に関して多くの組織学的研究があり,動物を用いた基礎的実験が行なわれてきた.本論文は,筋力低下(筋萎縮)をきたす病態の臨床および基礎(動物)実験について主に組織学的側面から述べ,筋力増強のメカニズムについて論じる.特に最近,多くの論文が発表されている廃用性筋萎縮の病態については,少し詳しく述べてみたい.
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