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特集 通所・訪問リハビリテーションの技術
機能訓練事業の展開
Practices of Rehabilitation in Day Care and Home-visit Setting: Development of Community Rehabilitation Activities
奥村 愛泉
1
Yoshimoto OKUMURA
1
1琴海町立病院
1Kinkai Choritsu Hospital.
pp.395-401
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102792
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Ⅰ.初めに
1983年2月施行された老人保健法は,病気の予防・治療・リハビリテーションまでの一貫した保健医療サービスを総合的に行なうべく創設された.その中でわれわれ理学療法士にもっとも関係の深い機能訓練事業については従来病院・施設中心であったリハビリテーション関係者の眼を障害老人の住む地域へ向けさせたという点でその功績は大きいと言えよう.筆者自身常々「第三の医学」と称するリハビリテーションが治療医学の場でしか有効性を発揮できえぬことに疑問をもっていただけに,理学療法士の活躍する場が法的に地域の中で保証されたことを素直に喜んでいるものである.
この事業が真に軌道にのれば理学療法サービスの充実に連なり,本来もつべき業務を取得しえたという感を強くする.しかしこのことは反面「われわれ自身が理学療法を単に病院・施設内治療で終わらせることなく,地域の生活の中にリハビリテーションを如何に展開し根づかせていくか」ということに連なる.すなわち在宅生活という地域の中で,老人保健法の中の社会的機能訓練をどのようにとらえ,実践していくかがわれわれ自身に厳しく問われているわけである.
筆者は1975年初頭より長崎市を中心とした地域リハビリテーション活動(現在のリハビリテーション協議会・代表浜村明徳医師)に加わり,実践と検討とを重ねてきた.特に老人保健法施行以来,長崎県がリハビリテーション協議会に委託した機能訓練事業1)に携わる機会に恵まれ,従来リハビリテーションに縁の無かった長崎の離島(下五島地区)での機能訓練事業2)の展開の経験と,市町の保健婦のアンケート調査とから私見を述べてみたい.
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