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特集 通所・訪問リハビリテーションの技術
機能訓練事業の展開について―兵庫県稲美町での経験を通して
Practices of Rehabilitation in Day Care and Home-visit Setting: Community Rehabilitation Activities for the Elderly Handicapped; A Physical Therapist's View
藤林 英樹
1
Hideki FUJIBAYASHI
1
1兵庫県立加古川病院
1Kakogawa Prefectural Hospital.
pp.390-394
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102791
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Ⅰ.初めに
1987年10月に,兵庫県理学療法士会が老人保健法による機能訓練事業に協力している県下の理学療法士に対して,本事業に関するアンケート調査を行なった1).それによると,この事業で「ジレンマに陥っている」とか,「楽しみが無い」といった否定的な回答は38.1%であった.また,この事業で悩んでいる点として,展開方法が46.2%,概念や位置付けが30.8%,行政機関や他組織とのかかわりが28.2%で,これらが悩みの主たることであった.
一方,1988年9月に,県下の機能訓練事業への参加者615名に対して意識調査2)をしたところ,この機能訓練事業に参加して良かった点として,友人ができた52%,身体の調子が良くなった45%,精神的に落ち着いた40%,といったように,心身両面にこの事業が役割を果たしている.
理学療法士が本事業における基本的問題に悩みつつも,参加者にとっては有意義なものとなっており,評価されるべき事業であろう.
こういう実態を踏まえ,稲美町での経緯を述べながら,機能訓練事業における理学療法士の姿勢についても考えてみたい.
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