とびら
一般病院から卒前・卒後教育への提言
大田 近雄
1
1広島市民病院
pp.221
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102747
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理学療法士の養成校が44校となり卒業生が毎年1000名を越え,また平成元年度から養成校の定員を100名増やすとの意見が出されました.一方,卒後教育においては全国規模の研修会のみならず,各地で種々の研修会が開催されています.今後さらに活発に展開されていく中で,卒前教育と卒後教育とを通した一貫性のある教育(育成)がなされているかという点ではいま一歩と思われます.
まず,卒前教育から考えてみますと,各養成校内で教授している内容と施設側の期待する内容とに隔たりがあるのではないでしょうか.例えば脳血管障害についての教授では,リハビリテーションセンターにいるような患者のみを対象として教えていると,患者を見ていない学生にとっては教わったことだけで脳血管障害の病態全体を理解したと錯覚してしまい臨床実習で患者に直面すると,何をどう評価したら良いかわからず,またいろいろ評価を行なっても問題点のスクリーニングやその解決法を考案できない事態が生じます.そんな学生が時々います.また,臨床実習指導においてももっと実習病院の特徴を出して,学生へ指導できるようスーパーバイザーも努力が必要と思います.
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