巻頭言
卒前・卒後教育における精神神経科学に関する提言
斎藤 正己
1
1関西医科大学精神神経科学講座
pp.450-451
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204322
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学部学生が卒業して医師国家試験を受け,臨床研修を開始する一方,臨床研修医の一部が大学院に進学する時期,また4年間就学して単位を修得した大学院学生が,研究に節目を作ってスタッフに加わる時期,この医学部教員にとって最も慌しい時期に直面して,日頃感じている教育上の疑問を呈示する機会を与えられたことに先ず謝意を表する。
折にふれて諸外国の卒前教育カリキュラムを通覧する時,何よりも感銘を受ける点は,精神医学と神経医学に関する基礎教養課目の充実していることである。日本の医科大学の履修課目には,大学によって多少の相違こそあれ,教養課程における心理学以外にこれに相当するものがない。関連課目としては倫理学,哲学,あるいは法律学もあるが,臨床精神神経医学の教養課目としては,いささか問題があるように感じる。
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