特集 はたらく理学療法士の動機づけ
理学療法士の動機づけ
6.女性が動機を維持する秘訣
松葉 好子
1
1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部
pp.1001-1004
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102626
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はじめに
理学療法士として「女性が動機を維持する秘訣」が本稿に与えられたテーマであるが,このテーマをみたとき,はたして女性としての動機というものが特別にあるのか,男性と女性で理学療法士を続ける動機は違うのかと考えてしまった.
理学療法士はすばらしい職業である.仕事を通じて患者や家族と喜びを分かち合い,常に勉強できる環境と自己研鑽の機会がある.これだけでも,仕事をするうえで十分な動機づけとなり,そこに男女の差は感じられない.そうは言っても女性は産む性であり,これは男性との圧倒的な違いである.また,産業社会自体が,従来男性を基本として成り立ち整備されてきたもの(理学療法士も男性が多数を占める形でスタートしている以上,例外ではない)と考えれば,未婚・既婚を問わず,女性にとって職場はアウェイであるとも言える.
日本の女性の労働率は,出産・育児期に就業が中断する「M字型」曲線を描いていると言われており1),理学療法士の領域も例外ではないだろう.近年は,これに介護の問題も入っている.これらのライフイベントにかかわる支援等については別稿で述べられるため,本稿では女性理学療法士としての自分自身の経験と仲間から学んだことを振り返り,「はたらく理学療法士の動機づけ」の秘訣を探ってみたい.
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