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編集後記
内山 靖
pp.1112
発行日 2005年12月15日
Published Date 2005/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102529
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ある学問領域を確立しようとする場合の諸条件を挙げる際には,必ず専門用語の存在が問われます.厳密な定義づけによって共通した概念形成を行い,それらを共有することが学問としての発展と普及に不可欠であることを物語っています.
何かを共有することは,社会生活を営むうえでなくてはならないものです.理学療法士は対象者のニーズを十分に理解し,目標を共有することで,対象者を支援することが初めて可能になります.人と人とが分かり合えたと感じる際に共有しているものは,言語化した概念のみでなく共通世界に存在するイメージが重要になってきます.医療面接においても言語的なコミュニケーションは,全体の35から40%程度と言われており,醸し出す雰囲気やちょっとした仕草から感じられる非言語的コミュニケーションが重要となります.感じ取ることや気づくことは医療者にとって最も重要な実践能力の1つであり,一朝一夕に身につくものではありませんが,漠然と経験を積むだけで習得されるものでもありません.
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