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編集後記
内山 靖
pp.466
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106300
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大学教員は,教育者であるのか研究者であるのか?
冒頭から個人的な話で恐縮であるが,私自身が病院に勤務していたころ,他領域を含めた先輩や恩師が,上記のことを折に触れ語り合っていたことを記憶している.その時には,教員なのだから教育者以外の何者であるのだろうかと思って話をお聞きしていた.自身が非常勤を含めた教員の立場になると,先輩方の話の真意がわかり始めてきた.それは,業務配分の問題であったり,自身の生きざまを踏まえた哲学的な次元であったりと多要因にわたっている.また,私立大学,研究所,いわゆる地域と大都市の国立大学に勤務する中で,それぞれに期待される役割が異なることも理解できた.医療専門職が,臨床ではなく教育や研究を通して国民の健康に寄与しようと考えることは,ある意味で強い決意が必要な点もある.保健学科や理学療法学科に勤務している一部の教員から,ここは雑務が多くて大変だ,とくに講義の負担が大きいと言われるたびに心が痛む.
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