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編集後記
内山 靖
pp.182
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101363
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かつて,書斎のあるマイホームを建てることはサラリーマンの夢の1つであった.読書や勉強が好きな人ばかりではないだろうが,1人で思いを馳せるゆとりの空間を持つことへの憧れが強かったのであろう.わずかな夢と引き換えに,片道2時間の通勤と30年間のローンを組む者も少なくなかった.実際に書斎として有効に活用される頻度は少なく,近いうちに子ども部屋か家族の物置へと変わる運命をたどることも多い.夢やゆとりとは非日常的で,元来が非効率なものである.ロマンと不満は文字通り紙一重である.
最近,理学療法士という職業では,ローンを組むことさえ難しいという現実を立て続けに聞く機会があった.若い理学療法士が,自身の希望を持てない状態で十分な専門性が発揮できるのだろうかと思うことがある.せめて,理学療法へのささやかな希望を抱く対象として理学療法ジャーナルが存在できればと願う.
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