講座 臨床検査データの理解と活用法・1【新連載】
臨床検査データ判読の基礎
三宅 一徳
1
Kazunori Miyake
1
1順天堂大学医学部臨床検査医学
pp.69-75
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102174
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はじめに
理学療法の対象者の多くは何らかの病態を有しており,その病態を把握する指標として臨床検査が広く用いられている.特に糖尿病,脂質異常症などの代謝異常症や慢性腎臓病など,自覚症状や診察所見に乏しい病態では臨床検査値が唯一の判断根拠である場合も少なくない.この検査値の意義を的確に判断するには,それぞれの検査項目がどのような変動メカニズムで生体の状態を反映するかを理解する必要がある.加えて,すべての項目に共通する臨床検査の基本的な特性を把握しておくことが不可欠である.特に基準値の意義や検査の診断特性については,正しく理解しておかないと思わぬ病態の誤認につながることがある.
本稿では,この臨床検査データ判読の基礎となる事項について概説したい.
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