特集 足部・足関節の機能と理学療法
足部・足関節のなりたち―バイオメカニカルな観点から
内山 英一
1
Eiichi Uchiyama
1
1札幌医科大学保健医療学部
pp.731-737
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102053
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はじめに
足部・足関節の構造は複雑である.足はなめらかで安定した歩行のために,下肢の中の統合された重要なパーツである.1Gの重力場で,足関節は下腿からの荷重を足に伝え,足と地面との関係をコントロールするインターフェイスである.
足の性質の特別な点は,必要に応じて28個(種子骨2個を含む)の骨が強固な1つの剛体となったり,柔軟に動いたりすることである.裸足で木に登るときは柔軟に動くし,通常の歩行の際には一体化したりバラバラになったりという関係性が交互に現れる.足がこうした構造をもった理由は,私たちが立っている地表面が柔らかかったり固かったり,滑らかだったり,凹凸があったり,滑りやすかったり,いろいろ変化するためである.
ここでは,歩行時に足に起こる様々な動きについて述べる.荷重が脛腓結合から距骨ドームへ,さらに足に達する経路についても考える.下腿と足固有筋の働きについては,足のいろいろな動きを理解するうえで必要に応じて考えてみる.
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