Japanese
English
症例報告
下腿骨骨折後の外旋変形による歩行時足部痛に対して足底挿板が奏効した1症例
A case of external rotatory deformity after lower thigh fracture treated with arch support.
熊谷 匡晃
1
,
林 典雄
2
,
稲田 均
1
,
村山 泰規
3
Kumagai Tadaaki
1
1鈴鹿中央総合病院
2中部学院大学
3三島共立病院
キーワード:
外旋変形
,
歩行時痛
,
足底挿板療法
Keyword:
外旋変形
,
歩行時痛
,
足底挿板療法
pp.1101-1105
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101551
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要旨:下腿骨幹部骨折に合併する変形治癒に対して,保存療法の有効性を示した報告は見当たらない.今回,下腿骨幹部骨折後の下腿外旋変形により歩行時痛を呈した症例に対する足底挿板療法を経験した.手術は脛骨骨折に対して髄内釘横止め法にて整復固定が行われ,術後4週間の外固定後,運動療法を開始した.術後13週より1/2荷重が許可されたが,荷重に伴う下腿ならびに足部の疼痛を強く訴えた.トウアウト(toe-out)荷重に伴う後足部の過回内と,中足部以遠の外旋ストレスが大きくなることによる後脛骨筋腱炎,ならびに下腿遠位への外旋トルクの反復負荷が骨膜性疼痛を惹起したことが,疼痛の原因として考えられた.治療としては,足関節周囲の軟部組織の柔軟性を改善したうえで,これらの機械的ストレスを軽減するため,踵接地時の踵骨の直立化,トウアウト荷重に伴い生じる舟状骨の落ち込みの防止,下腿の内旋誘導を目的とする足底挿板が有効であった.
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