ひろば
理学療法学教育制度の変遷と展望
奈良 勲
1
Isao Nara
1
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.786
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101751
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「教育は百年の計」といわれる.その成果が実を結ぶためには長い歳月を要し,長期展望に立って設計する必要がある.
明治23年の「教育勅語」は当時の教育活動の最高原理とされたが,修身科をはじめ諸教科の内容が規制されていた.敗戦後の昭和22年には「教育基本法」が新たな長期の展望となり,平成18年には種々の議論の末,59年ぶりに改正が行われた.これらは義務教育・高等教育を基礎とした教育の大方針であり,幼年から青少年期にわたり人間形成に及ぼす影響力が多大なだけに,きわめて重要な制度の1つである.ただし当事者である若者が法律の策定に参画することはなく,各々の時代の一部の政治家,官僚,知識人の教育観が反映されることから,その方法論自体が課題ともいえる.現在の理学療法士養成校の教員や学生は「教育基本法」のもとで教育を受けた世代であろうが,その影響をどれほど受けたか認知している人は少ないだろう.
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