特別寄稿
助産婦教育の変遷と展望
松本 清一
1
1自治医科大学附属看護学校
pp.906-912
発行日 1986年10月25日
Published Date 1986/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206983
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助産婦教育の変遷
1.古代の助産婦教育
経験のある婦人が他の婦人の出産に付き添って助けることは,洋の東西を問わず太古から行なわれていたことで,そのことから自然発生的に助産婦の職業が生まれた。そして,その養成教育もかなり古くから行なわれていたことが知られている。
2世紀にローマでエフェソスのソラヌスSoranus of Ephesusが助産学を教え,書物を残したが,しかし5世紀以後ローマ帝国の滅亡とともにその教えは用いられなくなり,暗黒時代に入って長く進歩もなく,16世紀になって最初の助産婦教科書がSoranus of Ephesusの教えに基づいて書かれ,出版されたのである。
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