特集 不全型脊髄損傷の病態と理学療法
不全型脊髄損傷に伴う痛み・異常感覚と理学療法
栗田 英明
1
,
水上 昌文
2
Kurita Hideaki
1
1日本工学院専門学校理学療法学科
2茨城県立医療大学理学療法学科
pp.213-220
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101369
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
脊髄損傷者における疼痛はリハビリテーションの進行を阻害するだけでなく,日常生活動作やQOLを低下させ,さらに心理的・精神的ストレスとなり,患者にとっては大きな問題となる1,2).特に臨床場面では,不全型脊髄損傷者(以下,不全損傷者)の疼痛や異常感覚の訴えにより,理学療法を実施する上で難渋することが多い.しかし,これらの脊髄障害に伴う痛みや異常感覚に対する有効な医学的治療手段は少なく,また理学療法での介入は困難を極めているのが現状である.そこで本稿では,不全損傷者に限らず,脊髄損傷に合併する痛みおよび異常感覚について,その発生頻度・機序を整理するとともに,理学療法で行うべき評価,治療に関する現状について概説する.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.