書評
―柳澤 健・赤坂清和(監訳)―「エビデンスに基づく整形外科徒手検査法」
市橋 則明
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1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
pp.938
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101063
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徒手検査法に関するテキストは数多くあり,また同じようなテキストが出版されたのかと思い,あまり期待もせず本書を手に取った.本書を読み進めるうちに,今までのテキストとの違いに驚かされ,熟読してしまった.従来の整形外科の徒手検査法に焦点を当てたテキストは,診断の正確性を無視し,単に多数の検査を列挙したものがほとんどであった.そのため,どの程度その検査に信頼性があり,他の検査法とどう違うのかが不明確であった.このテキストを読んで最も驚かされたのは,各検査項目にその検査の検者間信頼性や検者内信頼性が記載されていること,さらにその検査が各疾患を検出できる感度と特異度が示されていることである.さらに,検査法に関しても最新の知見が記載されている.例えば,棘上筋テストのEMPTY CANとFULL CANの違いなども早くも取り入れてエビデンスが示されている.
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