学会印象記
―第42回日本作業療法学会―医学発祥の地からの新たな生活の創建・再建へ向けた提言
井口 茂
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
pp.862-863
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101272
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6月20~22日の3日間,梅雨空の下,第42回日本作業療法学会(長尾哲男学会長)が長崎市内の4会場にて開催された.学会参加者の方々は,雨の中,長崎までの道中と会場間のシャトルバスでの移動に苦慮されたことと思うが,歌にも詠われた「雨の長崎」を実感していただき,印象に残ったことと思う.そんな梅雨の季節にもかかわらず,全国より3,500名を超える参加者が集まり,開会式を皮切りに,学会テーマ「生活文化の創造と伝承」に沿って,学会長基調講演,教育講演4題,教育セミナー9題,シンポジウム2題,市民公開講座の講演などとともに,口述発表288演題,ポスター発表537演題の計825演題の会員発表が行われた.私は,今回本学会に初めて参加し,3日間を通して内容的にも新鮮な印象を受けた.特に口述発表は288演題が設定されており,近年の演題数の増加によりポスター発表が主体となりつつある理学療法学術集会においても参考にしたいものである.
また,2014年の世界作業療法士連盟(WFOT)世界会議招致に向け,WFOT会長Kit Sinclair氏,WFOT副会長Sharon Brintnell氏,2010年開催の第15回WFOT学会長Enrique Henny氏を迎え,「世界の作業療法の今を知る」と題したシンポジウムも開催され,現在の作業療法における世界的動向も垣間みることができた.このような機会を得た学会について,私が傾聴できた学会企画を中心に報告する.
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