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はじめに
2008年4月から,生活習慣病予防を目的とした特定健康診査(以下,特定健診)と特定保健指導が開始された.それに先立ち,「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準」[厚生労働省令第157号,平成19(2007)年12月28日.いわゆる実施基準]が定められ,実施基準の第7条第1項第2号と第8条第1項第2号に「運動指導に関する専門的知識及び技術を有すると認められる者」が特定保健指導の一部を行うことができると規定された.その実施者の基準に関して「実践的指導実施者基準」[厚生労働省告示第10号,平成20(2008)年1月17日]の第2の1において,「看護師,栄養士等であって,内容が別表第2に定めるもの以上である運動指導担当者研修を受講した者」と定められた.ここでいう「別表第2」は14項目,147時間以上の講習と実技で構成された内容となっている(表1)1).そして,(社)日本理学療法士協会(以下,協会)などの尽力もあり,この「看護師,栄養士等」とあるのは,「理学療法士」を含む趣旨であることが,厚生労働省からの特定健診・特定保健指導に関する通知[特定健康診査及び特定保健指導の実施について,平成20(2008)年3月10日,都道府県知事宛て:健発第0310007号,保発第0310001号,地方厚生(支)局長宛て:健発第0310008号,保発第0310002号]において明記され,特定健診・特定健康指導における理学療法士の参入が実現したのである.
本稿では,特定健診および特定保健指導について,厚生労働省から発表されている資料「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02a.html)を中心にその概要を解説し,今後,理学療法士がこれに関わるための条件(個々の学習や教育と組織としての取り組み)を提言する.
なお,「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」に整理されている標準的な実施内容には,医療保険者(あるいは委託先となる健診・保健指導機関)として必ず遵守すべき点と,できれば実施することが望ましい点が混在していることに留意する必要がある.
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