特集 ヘルスプロモーションと理学療法
ヘルスプロモーションにおける理学療法士の役割と可能性
川口 浩太郎
1
Kawaguchi Kotaro
1
1兵庫医療大学リハビリテーション学部
pp.551-560
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101209
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はじめに
あるエクササイズプログラムが150万セット以上の売り上げを記録したり,各種健康関連器具や健康関連食品が流行するなど,近年,「健康」というキーワードはもはやブームではなく,「当たり前」になった感がある.これらは「健康は自分自身で何とかするもの」という考え方の現れではないだろうか.一方,2008年から「特定健康審査(以下,特定健診)・特定保健指導」1,2)が実施され,「平成27(2015)年度には平成20(2008)年と比較して糖尿病等の生活習慣病有病者・予備群を25%減少させる」という明確な到達目標が掲げられている.この背景には「医療費の削減」という政治的背景があることは言うまでもないが,政策として対応しなければならないほど,「健康ではない」人が多く存在することを物語っている.
「健康」を維持するためには,本人の努力もさることながら,それを取り巻く環境や人,社会や政策の整備も必要であろう.これは「ヘルスプロモーション」の概念に通じるものである.本稿では「ヘルスプロモーション」の概略を説明するとともに,その中で理学療法に関連する項目や理学療法士の役割,今後の可能性について述べる.
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