特集 Stroke Unitと理学療法
わが国のStroke Unitにおける理学療法
1.Stroke Care Unitの導入とリハビリテーション
前川 利雄
1
Maekawa Toshio
1
1神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション科
pp.479-484
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101192
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はじめに
当院は,3次救急体制に対応する神戸市の基幹病院である.ベッド数は2008年4月時点で799床である.2006年の診療報酬改定により,リハビリテーション(以下,リハ)の実施期間が限定された.当院リハ科では改定前まで多くの外来患者を受け入れてきたため,1日に予定している入院患者のリハを定時の時間内に終えることが困難となり,17時30分以降の時間外にベッドサイドでリハを実施せざるを得ない状況が続いていた.そこで,2006年の診療報酬改定を機に,外来患者は地域医療支援病院や開業医,また介護保険施設や訪問リハなどの訪問事業所に紹介していった.これにより,ベッドサイドでリハが必要な入院患者も定時の時間内に実施していくことが可能になり,主治医,病棟看護師との連携をとりながら,早期リハを積極的に実施していくことになった.また2006年4月には神戸市立医療センター西市民病院で運動器センターが開設されたことにより,当院の整形外科疾患に対するリハは大幅に減少した.したがって,これまで以上に脳卒中患者のリハを重点的に実施できる体制が整った.脳卒中治療ガイドライン1)では「急性期リハビリテーションは,発症直後からベッドサイドで開始され,廃用症候群の予防と早期からの運動学習によるセルフケア早期自立を最大目標とする」と説いている.
本稿では,当院でのstroke care unit(以下,SCU),脳卒中センターの体制,脳神経外科と神経内科の入院延患者数と平均在院日数,転帰状況,急性期リハの実際,他職種との連携について紹介する.
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