書評
―石川 斉(著)―「筋・骨格系の機能解剖アトラス」
嶋田 智明
1
1神戸大学大学院保健学研究科リハビリテーション科学領域
pp.436
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101182
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リハビリテーション医療では,運動器疾患に起因する様々な運動機能障害や姿勢・運動異常を扱うが,それを解決する知識・理論体系を構成する最も基本となるものが解剖学や生理学である.しかし,個々の臓器・器官の持つ独自の機能をぬきにした解剖学や生理学の知識だけでは,患者の求める質の高い医療を臨床の場で提供することは決してできない.
機能解剖学は,解剖学が人体構造を主として扱うのに対して,それと不可分の機能との関連性およびその破錠のメカニズムや病態像を扱い研究するものである.そして,理学療法や作業療法で行われる評価・治療の理論背景をなし,「準拠の枠組み」となる重要な学問領域の1つであり,運動学の一分野でもある.本書は,医学的リハビリテーションで対象となる筋骨格系の正常構造・機能や病態を学び,その知識をもとに理学療法・作業療法の専門性の向上に積極的にフィードバックできるよう企画されたものである.
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