特集 アジアの理学療法
アジアの理学療法とアジア理学療法連盟(ACPT)―ACPT設立当時を振り返って
森永 敏博
1
Morinaga Toshihiro
1
1四條畷学園大学リハビリテーション学部
pp.365-369
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101166
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はじめに
世界理学療法連盟(World Confederation for Physical Therapy:以下,WCPT.1951年創立)1)では,万国に共通する教育水準や倫理規定(Code of Ethics)を定め,理学療法という共通基盤による均質なサービスを提供するように規定している.しかし,それぞれの国には歴史があり文化がある.その集大成として習慣,さらに制度や規則が制定されている.理学療法という領域だけをみても,教育制度,社会的役割,そして法律で定められた責任や権能は国によって異なっている.アジア諸国での理学療法の歴史や,国際団体としてのアジア理学療法連盟(Asian Confederation for Physical Therapy:以下,ACPT.図1)について考える時,植民地統治国などという立場で理学療法の発展に大きな影響を与えた国々のことを抜きにして考えることはできない.なかでもイギリスやアメリカは大きな足跡を残している.イギリスでは,1894年に理学療法士協会の前身ともいえる団体が組織され,1944年に今日のCSP(Chartered Society of Physiotherapy)が設立され,発展してきた.アメリカではAPTA(American Physical Therapy Association)が1921年に結成された(その前身団体まで遡るとさらに古くなるが,公式ホームページにはその記載がないため,本稿では省略する).
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