特集 大腿骨―整形外科的治療と理学療法
大腿骨疾患に対する理学療法―運動器リハビリテーションとの関連で
磯崎 弘司
1
Isozaki Kouzi
1
1了徳寺大学健康科学部理学療法学科
pp.963-966
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101071
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はじめに
運動器は筋肉,腱,靱帯,骨,関節,神経(運動・感覚),脈管系などの身体運動に関わるいろいろな組織・器官によって構成されており,その機能的連合・総称を指す.
2000年からの10年間は「Bone and Joint Decade」として,世界保健機関(WHO)と国連の承認を得て,90か国以上の国々が参加し,世界的規模で運動が推進されている.日本では「運動器の10年」と訳され,その主な目的は「運動器の障害を持つ人々やその家族が自ら健康管理に参加し,健やかさを保つようにできることを支援する」「運動器の障害に対して真に有効な予防と治療を推進する」などが掲げられている.日本委員会においては,「運動器」という言葉の定着,運動器が健全であることの重要性の啓発,運動器疾患・傷害の早期発見と予防体制の確立を目標としている.
本稿では,運動器の中で大腿骨疾患に焦点を当て,大腿骨疾患に対する最近の整形外科的治療(大腿骨頸部骨折・変形性股関節症)についてのエビデンスを中心に述べ,運動器リハビリテーションを理学療法士が担う意義について述べる.
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