特集 理学療法士の卒後教育
セントオーガスティン大学大学院日本校の現状と展望
佐藤 友紀
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1セントオーガスティン大学大学院日本校
pp.721-725
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101020
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はじめに
セントオーガスティン大学は,米国南部フロリダ州のセントオーガスティン(St. Augustine)にある理学・作業療法の大学である(図1).理学療法に関しては,現在は臨床理学療法博士(doctor of physical therapy:DPT)の学位を提供している.これはエントリーレベル教育の学位,つまり理学療法士免許を取得するための必須条件であり,研究者を対象とした博士(PhD)とは異なるものである.
2005年,この米国のセントオーガスティン大学(以下,本学)と学校法人森島学園の提携の下,セントオーガスティン大学大学院日本校(以下,日本校)が開校した.日本校は,研究を義務付けない技術系大学院として,3年制の理学療法修士通信教育課程を展開しており,教育職・研究職に就くための学位を提供するのではなく,臨床現場で活躍する理学療法士のための教育機関である.特徴として,徒手療法を中心にカリキュラムが組まれ,on-line授業で単位を取得でき,症例報告を修士論文としている点が挙げられる.このような形式の理学療法領域の大学院は珍しく,臨床現場における理学療法のさらなる質の向上に大きく貢献できると考えられる.
本稿では,米国の本学と日本校の特徴,そして日本校開校から2年が経過した今日の課題も含め,現状と展望を述べる.
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