特集 NST(nutrition support team)と理学療法
低栄養状態患者と運動療法
伊藤 彰博
1
,
東口 髙志
1
,
児玉 佳之
1
,
二村 昭彦
2
Ito Akihiro
1
1藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウム薬剤部
pp.459-464
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100962
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はじめに
わが国にNST(nutrition support team:栄養サポートチーム)が普及するとともに,身体機能の回復を必要とするいわゆる脳卒中患者に対する栄養管理も,大きな変革期を迎えようとしている.栄養管理は,すべての医療の根幹をなす最も基本的な患者ケアの1つであり,一般に栄養管理をおろそかにすると,いかなる治療法,特に身体機能の回復を目的とする脳卒中患者に対するリハビリテーション(以下,リハビリ)においては,著しくその効力を失ってしまう.この栄養管理に対する基本的概念が浸透し,NSTを稼動している急性期病院においては,嚥下障害を伴う脳卒中患者に対しても早期経腸栄養の重要性が認識されるようになり,低栄養状態に陥らないために,初期治療と並行して栄養療法が実践されるようになってきた.さらに,脳卒中患者は,医療の高度化,細分化に伴い,リハビリ医をはじめ理学療法士(PT),作業療法士(OT)や言語聴覚士(ST)などのリハビリスタッフが充実した回復期リハビリ専門病院へと転院し,全身の身体機能を回復するために,集中的なトレーニングを行っている.
そこで本稿では,脳卒中患者を中心に,急性期治療を行う急性期病院,回復期リハビリを行うリハビリ専門病院に分け,低栄養状態患者に対するNST活動の果たすべき役割について概説する.
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